はいふくたです。
近所に仲良しの女子高生が居るんですけどね、この間彼女がいかに青春を謳歌しているかを聞いていると「国語の授業が眠い」と愚痴をこぼしておりました。
「先生が教科書を朗読してずっと感想を喋っているだけなんですよ〜」と。
50分間の授業で小説の(しかも省略された教科書の)段落ごとに自分の感想を述べ続けるって、逆に難しくないですか?
そんなに感想言えないし、ほんとに国語…というか小説が好きな先生なんだな〜と関心しながら話を聞いていると、「こころの時なんかめちゃくちゃアツく語りだしてやばかったです!」と一言。
こころ!懐かしい!!!!!!!!
皆さん覚えておいででしょうか。
夏目漱石の「こころ」でございます。
教科書には一部抜粋されたものしか載っていませんでしたが、ふくたは改めてまるっと読み直したことがあります。
感想ですが、え???って感じ。え???でした。
あれからこころを読み返したことはありませんが、未だに「え?」という印象が消えません。
そこで今回は完全ふくた主観でこころの「なんなんだこれは?」について触れていきたいと思います。
こころの登場人物ですが、主な登場人物は以下のとおりです。
私:主人公の男の子
先生:私が勝手に慕って先生と呼んでいる男性
奥さん(=お嬢さん):先生の妻で未亡人の娘
未亡人:先生が学生の頃下宿していた先の主人
K:ちょっと暑苦しい先生の親友
全体の構成は上中下の三部構成となっております。
上は先生と私。私と先生が出会って仲良くなります。
中は両親と私。父親が危篤で田舎へ帰省するも先生から遺書めいたものが届き、私は動揺します。
下は先生と遺書。先生の遺書の内容が綴られています。ここが物語のメインとなる部分です。教科書にも下の一部が抜粋、掲載されています。
遺書には先生とお嬢さん、Kの三角関係とこれまでの先生の苦悩が綴られています。
学生時代の先生は下宿先の未亡人のお嬢さんに想いを寄せていました。同様に下宿していた親友のKもお嬢さんに想いを寄せます。Kの気持ちを知った先生は先手を打ってお嬢さんに求婚し承諾を得ますが、その事実を知ったKは自殺してしまいます。
その後お嬢さん(奥さん)と一緒になった先生は罪悪感に苛まれ、自責の念によって苦しみ続け、ついには自殺してしまうのです。
以上がおおまかな内容となる訳ですが…
なんだこの話は…
ってなりませんか。なるんです。暗いし。
以下、ふくた的こころってなんなんだ一体をまとめました。
なんなんだ一体①まず遺書が長い。
下のパートだけで140ページあります。一部遺書ではない描写もありますがほとんど遺書です。長い。驚異の長さ。かまってちゃんなのか。
なんなんだ一体②先生の自殺
ずっと悩み続けながらも奥さんと過ごした夫婦生活があったと思うと身勝手がすごい。振り切って自己陶酔だぜ。
なんなんだ一体③教科書に掲載
このまあまあ重くて暗くて救いのない話をなぜ中高生の教科書に載せているのでしょうか。明るい未来を信じて疑わない中高生、そりゃ寝ます。
なんなんだ一体④お嬢さん(奥さん)の描写
少ない。少なすぎてどういう人物なのかなかなかイメージしづらいですが、奥さんはすべて知っていたのではないのかなあとも思うのです。
Kが自分に好意をもっていたことも、先生がKを出し抜いたことも、その後悩んでいたことも。自殺を考えていたことも知っていたかもしれない。すべて知っていて結婚して、暮らしていたと思うとやっぱりそこには先生への愛しかないんですよね。ここ想像膨らませられるのが物語の肝、というかおもしろポイントだとは思うのですが、それにしたって救いがない…
なんなんだ一体⑤こころ
だからこころってなんなんだ一体!!!!!!!!!
というところです。主人公の男の子が先生のようにならないことを祈るばかりです。
ちなみにこの「夏目漱石のこころって一体何なの…」って話をしたら女子高生にめちゃくちゃウケました。救われました。
こうやって書いていると色々考える余地があるのでやっぱり良い本ですね。そりゃそうか。
こころがわかる方は是非ご教授ください。わからない方はこころ全然よくわからない同盟を組みましょう。
それではまた来週!ドロン!